単純子宮摘出術の前に行われる検査は、MRIだけではありませんでした。
円錐切除術と同様に、血液検査、尿検査、心電図、レントゲンの検査とさらに、
円錐切除術前の検査ではなかった、肺活量の測定もありました。
これは、全身麻酔を行う際に、人工呼吸器を付けるので、
そのための検査と思われます。
確か・・・記憶も少々あいまいになってきていますが・・・
筒状のものの中に思い切り息を吹き込んで、
肺活量を調べる、というような検査でした。
私は、中学、高校の6年間、吹奏楽部に所属していて、
クラリネットを担当していました。
ですので、肺活量を測定するのは、そこまで自信はないですが、
弱くはないだろうと思っていました。
検査の担当してくれた看護師さんから、
「思いっきり息を吸って、一気に吐いてください。」
と指示がありました。
「まず、一回練習してみましょう。」
ということで、本番前に練習でやってみましたが、
これがなかなか大変で、うまくいきません。
長年クラリネットを吹いていたせいで、
息の吹きかたに変なクセがついちゃっていたみたいです。
というのは、クラリネットを吹くときというのは、
お腹には力を入れるのですが、
長く息を保てるように、少しずつ長く息を吐くようにして吹くんです。
だから、一気に息を思いっきり吐く、ってことが、
私にはちょっと難しいようでして。
これが簡単なようで、なかなかうまくできません。
練習の時も、思いっきり息を吸うまではいいのですが、
一気に息を吐き出すのができなくて、
クラリネットのクセで、細く長く息を出す感じになってしまいました。
習慣というものは本当に恐ろしいものです。
こんなに体にクラリネットが染みついているなんて、
今初めて気がつきました・・・。
さて、本番。
一応本番といっても2回のチャンスがありました。
で、一回目。
看護師さんが
「はい、吸って、吸って、吸って~もっと」
と、もうすでに空気でいっぱいになって、
これ以上吸えないところに、
もっと吸って!とカツを入れられます。
で、空気で一杯になったところで、今度は一気に吐き出します。
看護師さんが「はいてー!」と大きな声で合図してくれます。
私は「クラリネットを吹くんじゃないんだ!」
と自分に言い聞かせて、思いっきり吐き出します。
今度はちょっとだけ、練習の時よりもうまくいきました。
これで安心しちゃったんでしょうね。
2回目は、やっぱりクラリネット吹きになってしまったんです。
看護師さんも、
「一回目はまあまあできていましたけど、
二回目はちょっと弱くなってしまいましたね」
とおっしゃっていましたが、
「まあ、これで大丈夫でしょう」とのこと。
私の場合、一気に息を思い切り吐き出すのは苦手ですが、
たぶん、長く息を吐き続ける、というのは得意かもしれません。
でも、それじゃあ検査にはならないですよね。
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