手術前の外来で、あまり余計なことを話さない私の主治医が、
めずらしく強調していたことがありました。
ちょうど私が入院する一週間ほど前に、
埼玉県で起こったあるニュースが報道されました。
無許可で腹腔鏡腹腔鏡の手術をしていた婦人科の医師がいたというのです。
しかも1件や2件ではなく、69件とかなりの多くの手術をしていたのだとか。
自分が婦人科の手術を受けることになっている矢先の事件でしたので、
もちろん気になりましたし、怖いな、と思いました。
そんなことがあり、主治医は
「そんな報道があったので、不安もあるかと思いますが、
ここの病院では安心して手術を受けて大丈夫です。」
ということを、繰り返し強調していました。
口数の少ない先生が、ここまで繰り返すのはめずらしいな、と思いました。
もちろん、私も主治医の先生のことは信頼していましたので、
「はい、わかりました。」と答えました。
でもでも。
手術の先生は主治医じゃないんだ・・・
まあ・・・それは、仕方のないこと。
きっと、円錐切除術の得意な先生が担当してくれるのだろう、
と思いました。
今思えば、なんとも気楽なB型です。
主治医の先生は簡単に挨拶をすますと、すぐに行ってしまいました。
本当に先生はお忙しそうです。
いつ休んでいるんでしょう?
ちゃんと睡眠とれているのでしょうか。
病人に心配されてます、先生。
先生が行ってしまいましたので、また戦国時代の本を取り出し読んでいると、
カーテンの向こうから「失礼します」と声が。
「はい」と慌てて返事をします。
今度は誰でしょうか?
今度も若い男の先生です。でも見たことがない先生です。
「明日手術を担当します、よろしくお願いします。」
と自己紹介してくださいました。
ものごしの柔らかい、やさしそうな方です。
おっさんずラブの俳優の田中圭さんにちょっと似ているかな?
で、しっかり戦国時代の本を見られてしまいました。
その後、再び、「失礼します。」との声。
今度は何となく察しがつきます。
手術をしてくださるもう一人の先生でしょ!?
「明日手術を担当します、よろしくお願いします。」
ズバリ正解!
今度も若くてめっちゃイケメンの先生。
すらっと背が高くて切れ長の目。
俳優の野村周平さんに似ていました。
で、今度もしっかり戦国時代の本を見られてしまいました。
私、眼鏡でパジャマ姿。
うー。
最初から恥ずかしい・・・
そして手には歴史のマニアックな本。
衝撃的な出会いかも。
ああ、こんなかたちでお会いしたくなかった。
ということで、この若くてイケメンの先生二人を、
圭先生と周平先生と心の中で呼ぶことにしました。
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